ハンガー・コンテナ
ハンガー・コンテナ (hangar container) は、
ドライ・コンテナと同じ外形をしたコンテナの内部にハンガーを
かけられる取り外し可能なパイプ状のラックが多数備わっており、
コンテナ内部が絨毯で保護されている場合もある。
このため空になった後にコンテナの有効活用と、空コンテナをわざわざ
回送割引運賃が適用されない正規の運賃を払って送り返す(ただし、JR鉄道輸送では、
空回送鉄道運賃が最大5割引[以前は9割引だったが改定された]となる) という
諸経費の無駄を省くための工夫が必要となる。
例えば、空回送冷凍コンテナなどでよく使われる輸送方法である、
雑貨物資を帰り荷物として詰め込むことが考えられるが、
内部が絨毯で保護されているなどの場合、多大な手間隙かけてコンテナ内部に
ビニールシート類を敷き詰めて、荷物の汚れが直接付かないようにするなどの、
ある意味で使用用途が限定されるコンテナである。
しかし衣類を畳まずに吊るした状態で輸送することができるので、
商品の折れ傷み防止や積載品数の増加、梱包資材の節約、
更には出荷時に納品先の店舗仕様にあらかじめ札付けの準備をしておけば、
流通中間で一切の手を加えることなくあたかも製造工場から直輸入したようになるので、
これにより商品流通側から見れば経済性向上や荷役労働環境の改善、
流行ものの衣類もスピーディーに仕入れることができる。
なお、コンテナの外観上からは特にhangar container、
または、国内の鉄道コンテナで見られるハンガーコンテナなどと、
特段の表記がない限り見分けることは非常に難しい。
また、1995改定のISO規格コンテナ構造区分コードでは直接該当するコードがないため、
割り当て不能時には便宜的に総括付与する「G9」が使われている。