鉄道コンテナ

日本国外

鉄道は船に比べて速く、飛行機よりも割安なため、大陸間輸送の場合でも

ランドブリッジとして大陸横断鉄道が(特に北アメリカ大陸で)活用されている。

内陸輸送の上でも、トラック数百台分のコンテナを一気に運ぶことができるため

鉄道は効率的な輸送手段である。

アメリカ合衆国やヨーロッパなどでは、海上コンテナ(ISO規格コンテナ)の使用が一般的で、

コンテナ貨車を 100両以上連ねた長大な貨物列車(俗に「マイル・トレイン」と呼ばれる)が

効率的な物流手段として日常的に運転されている。

車両限界に余裕のあるアメリカなどでは、

コンテナを上下2段に積み重ねて輸送する「ダブルスタックカー」も見られる。

こうした複層貨物鉄道輸送は、アメリカ以外でも効率的にコンテナを大量輸送するために

導入されている。

日本国内での定義と現状

国内の地域によっては、中小の私鉄各社がJR貨物からの輸送委託を受けて

輸送区間限定で運用するも、日本国内での鉄道で輸送されるコンテナは、

すべてJR貨物単独一社のみで総括管理している。

このために事実上は、たとえ前項の国際海上コンテナも含めて

どのような形式のコンテナであれ、JR貨物での輸送用コンテナ形式としての

承認登録と、完全な輸送管理下に置かれる事になる。

JR貨物所有のコンテナ

日本国内の事情(道路上の輸送、輸送単位など)に基づく独自の

12フィートの各種コンテナが主体であるが、

ごく一部の形式に15フィート(24A形式・積載重量8t、10個登録)や、

2012年から正式に導入された30フィート(48A形式・積載重量14t、25個登録)のように、

特殊な大きさのドライ・コンテナもある。

また、12フィートの各種コンテナは、向きを変えることで

新幹線と在来線の両方に対応できるよう配慮されている。

ただし新幹線によるコンテナ輸送は計画はされたものの、実際には行われていない。

12フィートコンテナも、1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)を

きっかけとして災害時等の輸送障害などを考慮し、

鉄道代替手段として海上輸送可能な船舶積載時の吊り上げ荷役に使用する

隅金具装備のコンテナが、多数増備されて来ている。

JR貨物以外の民間所有のコンテナ

従来は、鉄道用コンテナの多くが国鉄→JR貨物所有であったが、

1990年代以降紙輸送列車や化成品輸送列車のコンテナ列車化、モーダルシフト化が進み、

鉄道私有コンテナでの規制が緩やかになったため、

海上コンテナ同様多数の運送事業者(宅配便、専門輸送会社など)や

リース会社他、農水産食品会社・各種製造企業、専門輸送業者以外の

多くの企業・事業団体も所有し、運用業種は多種多様になっている。

中にはISO規格の海上コンテナと同規格の鉄道私有コンテナも存在するなど、

JR貨物が認定した大型コンテナも急速に増えてきている。

また、今日のゴミ輸送のコンテナ化輸送のモデルともなった、

行政機関である神奈川県川崎市の自社所有コンテナ輸送(12フィートコンテナでの

空き缶輸送を全国通運へ委託運用分を除く)の珍しい事例もある。