フラット・ベッド・コンテナ
別名、プラットホームベースともいう。
基本的には、フラット・ラック・コンテナのような四隅柱すらない土台となる床だけの
変わった床板タイプのコンテナで、関係者の間では単にフラットコンテナと呼ばれているが、
長手方向の両側に簡易差込式のいくつかの補助柱を備えたタイプも多く存在する。
しかし、コンテナ自体が土台となる床だけのタイプゆえに、基本的には取り外した複数の
補助柱をコンテナ本体内に収納できないため、これらの付属品管理が難しいのが難点である。
貨物を積載した場合には、仮に補助柱を使用している状態でもこのコンテナの上に
他のコンテナは、補助柱の強度やあらゆる安全性の観点により一切段積みが
できないために、必ずデッドスペースが発生してヤードでの保管時は無論、
特に船舶に積載しての輸送時には積み込み場所が制限や限定されるリスクが有る。
例えば、コンテナ六個分の建設用機械類を輸送する場合に、
フラット・ラック・コンテナを使用し、その機械の寸法が全てコンテナから
はみ出ていないのであれば、ヤード保管時でも密着して蔵置きができたり、
段積みもできるために、占有床面積はコンテナ2~3個分で済む。
また船舶輸送時であればさらに多段積みができるので、占有床面積は1~2個分で澄む
計算となり、この場合は他のコンテナと同等の効率の良い運用が可能で、
運賃面でもデッドスペースの割り増し料金が付きにくい。
これに対して、このフラットコンテナは元々、段積みできる四隅の柱が
ないので貨物を積載した場合は、コンテナの段積み自体が全くできないために、
輸送運賃や保管料の面で割増料金を課せられ、
更に運用ルートおよび使用方法が大幅に限定される。
構造的には非常にシンプルながら
ある意味、運用コストのかかる特殊なコンテナである。
折倒し型および、この床だけのタイプは積載物なしの場合に数段の積重ねが出来るが、
この状態での船舶以外へ積み込んでの回送輸送(トラック・鉄道利用時)は
ごく一部のものを除き、構造安全上できない。
ただし、参考事例として国際的な輸送は出来ないが、
日本国内専用のJR貨物指定の同様構造コンテナの一部には、
数個をまとめて段積み回送輸送ができるタイプのものもある。