ハイ・キューブ・コンテナ

ハイ・キューブ・コンテナ (high cube container) とは、

標準的な高さである各種8ft6inコンテナより更に背の高さが1ft(30cm)高い、

9ft6inコンテナのことである。

一般的には背高コンテナとも呼ばれているが、

日本国内の荷役従事関係者では、9ft6inにちなみ、「クンロク」とも呼ばれている。

(これに対し、通常型の8ft6inコンテナは「ハチロク」と呼ばれている)

したがって、荷役中や一般道での輸送中に高さにおける注意喚起のために、

側面やドアに注意書きが上部に黒と黄色の警告色によるステッカーが貼られている。

このハイ・キューブ・コンテナが生まれ、

世界中では無論、道路の高さ制限が多い日本国内でも

このコンテナが全国規模で輸送できるように、莫大な国費を費やして

日々道路整備をしている背景には、今日の流通経費の削減等の

根強い要望があるためである。

例えば、軽量品貨物を従来の8ft6inコンテナへ一杯に詰めても

最大積載重量を大幅に下回ることが多いことから、

少しでも多くの貨物を合法的に積載するために開発された。

積み込み口は後部片妻一方開きタイプが基本であるが、

片側または両側面が全面折戸式に開くタイプや、

片側面の一部分に開口戸があるタイプなど、

積荷や作業環境に応じた特殊なタイプも少数ながら存在する。

日本国外では早くから広範囲に普及していたが、

日本国内では道路交通法による高さ制限等の問題で普及していなかった。

しかし、法令改正による道路環境整備や運搬シャーシ及び牽引トラクタ等の

規制緩和で急速に増え、ドライ・コンテナ、冷凍コンテナに多く見られる。

また、日本国内に流通している各種のハイ・キューブ・コンテナは

流通コストの関係で、ほとんどが40ft型であり、20ft型はまれである。

特殊な事例としてボーイング747の翼などの部材を、ボーイングの工場がある

ワシントン州シアトルへ輸送するための全長20ft型、40ft型、45ft型などの

コンテナをベースとして、高さが約17ftと通常の二倍に相当する超巨大コンテナも

米ボーイング社の協力会社である川崎重工業・三菱重工業各社にて

地区限定で流通している。

これらの輸送は、ウエストウッド・シッピングラインが担当する。